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庵治石とは

庵治石とは

瀬戸内暮らしのノート
(高松市の屋島から見下ろした牟礼・庵治地区は瀬戸内海に面した穏やかな場所。)

こんにちは、SELECT SHOP ROOTS135°店長の古沢です。

私たちが暮らす瀬戸内の魅力や、瀬戸内の職人たちが培ってきたものづくりの技術を多くの方に知っていただきたい、
お伝えしたい、そんな想いから始まった企画「瀬戸内よいもの便り」。

第2回は、瀬戸内は香川県が世界に誇る石材「庵治石(あじいし)」の可能性を追求するために生み出されたプロダクト、
「AJI PROJECT(アジプロジェクト)」をご紹介させて頂きます。

よい御縁があり、今回も本当に素晴らしい「ものづくり」と出会うことができました。

石工(いしく)さんたちが、生涯を懸けて追及している奥深い「庵治石」の魅力、少しでもお伝えできればと思っています。
 
■目次■
・庵治石を知っていますか?
・庵治石ってこんな石
・庵治石が使われる製品、使用例
・最後に~SELECT SHOP ROOTS135°の想い~
 

-庵治石を知っていますか?-

瀬戸内暮らしのノート
(庵治石が採掘される五剣山の丁場の中で、最も規模の大きい“大丁場”の様子。壮観。)

突然ですが、皆さんは庵治石をご存知ですか?

私たち、SELECT SHOP ROOTS135°が拠点を置く香川県。

庵治石は、その中心地である高松市の北東部に位置する牟礼・庵治地方だけで産出する花崗岩です。

石の世界では「花崗岩のダイヤモンド」と称され、最高級の評価を受けている御影石なのです。
※注:「花崗岩」は岩石としての名称、「御影石」は石材としての名称として使われています。

山全体が花崗岩の層からなる五剣山(ごけんざん)、地元では八栗山(やくりさん)とも呼ばれて親しまれている
地域の象徴のような山です。

その五剣山から産出する庵治石は、まさに、この地域の宝と呼べる資源なのです。
 


-庵治石ってこんな石-

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(画像は、庵治石の原石。画像のもので2メートルほどの大きさ。)

次に庵治石の特徴について触れていきたいと思います。
 

■水晶と同じ高度

庵治石は、鉱物の硬さを分類する硬度(モース硬度)でみると「7度」に分類され、これは水晶と同じ硬さに値します。

鉱物の結晶が緻密で結合力が強いため石の組織全体が締まり凝縮することによって、他の石材よりも硬いのです。

この硬さ故に、非常に細工がし辛く、職人の高い技術が要求される石でもあります。

この庵治石独特の硬さのことを石工さんたちは、石としての「ねばり」があると表現します。

「ねばり」があるため、石がごろっとまとまって崩れることがなく、細かく割れるので、細かな細工を施すことが可能になります。

加工するほど豊かな表情になる石、それが庵治石なのです。

ちなみに、石材として有名な大理石でも硬度は「4度」、最高はダイヤモンドの「10度」です。
 
■きめ細やかな地肌

花崗岩の中でも特にきめ細やかな地肌と結晶の緻密さを持つ庵治石は、数種類の小さな石の結晶から成り、
その粒子の大きさによって、細目(こまめ)・中細目(ちゅうこまめ)・中目(ちゅうめ)の大きく3つに分類されます。

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(出典:https://ishiyas.com/most-expensive-stone-ajiishi/)

【庵治石 細目】

世界一の誉れも高い花崗岩。

肌理の細かな地肌で、グレーの黒い割合が高い。

石全体が奥行きのある二重の絣(かすり)のように見える「斑(ふ)が浮く」という現象が特徴です。
 
【庵治石 中細目】

結晶の細かさ、色味などは庵治石細目と中目の中間に位置します。

細目、中目と比べると産出量が少ない石です。
 
【庵治石 中目】

細目と比べると白系色の結晶が大きく、庵治石の中では明るく美しい白さがある石です。

主成分である黒雲母(くろうんも)の粒子が小さく、少ないためです。

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(画像は、錆石の原石。鉄分が多く含まれているため、茶色いのが特徴。)
 
【庵治石 錆石】

前述の3つの種類以外にも、錆(さび)石と呼ばれる石があります。

「瀬戸内よいもの便り」でご紹介している「AJI PROJECT」のプロダクト、
「Wing」「Any」「ROCK END」(12月初旬入荷予定)は錆石を使用しています。

石に含まれる鉄分が多いため、石表面で酸化し変色して茶色に見えるのが特徴です。

墓碑などに使用されることはほとんどなく、独特の趣が珍重され、参道や縁石、建材などに幅広く使われています。
 

■美しい斑(ふ)

庵治石の見た目の特徴としてまずに挙げられる、美しい「斑」。

石を構成する結晶が細かいため、小さな黒雲母の数が多く、磨くほどに幻想的な二重の絣模様として浮かび上がってきます。

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(画像は、美しい斑が表れた庵治石細目。)
 
しかし、この黒雲母の集合体によって表現される美しい模様が、なぜ庵治石の一部にだけ発生したのかは、
庵治石の採掘が始まって約1000年が経つ現在も謎のまま解明されていないそうです。

大自然が創り出した神秘としか言いようがありません。
 

■風化する速度が遅く、経年変化に強い

庵治石は花崗岩のなかでも最も新しい時代にできた花崗岩です。

そのため時間経過によって風化する速度が遅い傾向があり、新鮮な美しい瑞々しさが永く保たれます。

一般的に花崗岩は経年変化により赤茶色に変色したり、艶がなくなったりするものです。

しかし、良質な庵治石は、黒雲母に含まれる鉄分が極めて少ないため、年月の経過による変色や艶落ちが極めて少ないのです。

結晶の結合が強く緻密なため吸水率が低く、水分を含みにくい、そのためにシミになりにくく、
風化もしにくいという大きな特徴が備わりました。

さらに、化学変化にも強く酸性雨による石の劣化が少ないことも庵治石が重用される理由です。


 
-庵治石の製品、使用例-

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(画像は、庵治石の裁断機。刃先に付けられたチップには人口のダイヤモンドが埋め込まれている。)

これまでに綴ってきた特徴から、庵治石が造形された際の上質な佇まいはイメージして頂けるのではないでしょうか。

さらに、経年の変化に強く丈夫であることから、作られた当時の美しい姿が永く保たれます。

天候・気候に関係なく、常に屋外に立ち続ける墓碑などや神社仏閣のモニュメントへ求められる耐久性において、
庵治石は他の石を圧倒的に凌駕しているのです。

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(画像は、加工の途中に見つかった傷をマーキングしている様子。裁断してみないと分からない傷もあり、歩留まりが悪い。)


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(鉄分が雨などの水分で石の中に染み出し、広がって固着してしまった錆石。裁断して初めて分かる。)

他の石種と比べて大材が採れにくく、実は傷も多い庵治石。

裁断などの加工を進めていかないと分からない傷もあり、その傷を薄皮を剥ぐように裁断していき、きれいな石を取り出します。

さらには、加工をするのにも職人の高い技術が必要なために、
きれいな目の模様が整った石材製品として市場に出るものは、丁場から採掘したものの3%程度に過ぎません。

この希少性が庵治石ブランドへさらなる価値を付与しているのです。

品格や尊厳を感じさせる斑模様の美しさ、石として類稀なる耐久性、そして希少性。
庵治石が世界の人々を魅了する理由です。

この他にも、日本を代表する建造物にも庵治石は使われています。

代表的なものを挙げれば、広島平和記念公園 原爆慰霊碑、道後温泉本館の浴槽湯口、
1964年東京オリンピックの聖火台、首相官邸など、です。

また、来年開催される東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる、
新国立競技場の3階通路の景観材としても使用されています。

また庵治石は、私たちが「瀬戸内よいもの便り」でご紹介させて頂く「AJI PROJECT」のように、
その特性を活かして、日々の暮らしに寄り添った「ものづくり」へと姿を変えています。


 
-最後に~SELECT SHOP ROOTS135°の想い~-

瀬戸内暮らしのノート

「瀬戸内」の豊かな自然がもたらしてくれる恵みには、温暖な気候が育む農産物、
瀬戸内海で獲れる海産物などとともに、今回のスタッフルームで綴った「庵治石」もそのひとつに数えられるはずです。

「自然の恵み=資源」「土地」「産業」「働き、暮らす人々」が一体となり未来へ進んでいくエナジー。

今回、「AJI PROJECT」のご紹介をさせてもらうにあたって訪れた香川県高松市の牟礼町・庵治町の庵治石産地で
強く感じることができました。

荘厳な雰囲気のある採石場(丁場)での採掘から、石の加工、そして完成した製品の配送までの全てが、
この地域に暮らす職人たちの手で行われています。

これら全てがひとつとなって、これらすべてをひとつにして「庵治石」と言えるのだと気づかされました。

個性溢れる職人の方々が、それぞれに語る庵治石の魅力や庵治石に対する想いには、産地としての『誇り』が垣間見えます。

まだまだ微力な私たちですが、庵治石産地の方々の想いを一緒になって前に進める一助になりたいと強く思います。

数多くのプロダクトが生み出されている「AJI PROJECT」のほんの一部しかご紹介できていませんが、
まずは身近なデスクトップ周りの小物から、「庵治石」の魅力を感じてください。

ご精読ありがとうございました。
 

2020-10-25 09:31:54

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