あけましておめでとうございます。
SELECT SHOP ROOTS135°スタッフの三澤です。
今年も、SELECT SHOP ROOTS135°をどうぞよろしくお願いいたします。
今回は、お正月に欠かせない料理のひとつ「お雑煮」についてお話したいと思います。
■目次■
・あんもち雑煮の発祥と由来
・あんもち雑煮の具材
・さいごに
お餅のアレンジ料理ばかりで飽きてしまったと嘆いている皆さん。
お雑煮の話を持ち出してすみません!
小さい頃、テレビで透き通った澄まし汁にこんがり焼いたお餅が浮かんでいるのを見て驚きました。
「我が家のお雑煮と全然違うやん!」
「うちのお母さん、手抜きしてる?!」なんて思っていました。
でもそうじゃなくて、お雑煮は地域によって餅、具材、出汁、味付けに違いがあるんですよね。
私が暮らす香川県では、「あんもち雑煮」が定番です。

イリコで出汁を取り、白みそで味を付けた白い見た目のお雑煮。
中には、甘い粒餡入りの丸いお餅と野菜。
県外の人に地元のお雑煮の話をすると、引かれたことがあります。
「なにそれ、しょっぱいの甘いの?」って...味の想像が付きにくいそうです。
私が思うに、辛いものと甘い物を交互に食べるのが好きという方には合うと思います。
あまり深く考えずに食べていましたが、香川県で「あんもち雑煮」が食べられるようになったのにはちゃんとした理由あったのです。
あんもち雑煮の発祥と由来
「あんもち雑煮」は江戸時代末期から明治時代にかけて讃岐地方で生まれた郷土料理です。
「あんもち雑煮」の特徴である「餡入りの餅」は讃岐高松藩時代の「讃岐三白」に理由があります。
「讃岐三白」とは讃岐高松藩が産業振興を進めて特産品としたもので、塩、砂糖、木綿を指します。特に砂糖は藩がサトウキビ栽培を奨励し、「和三盆」と呼ばれる白砂糖の製造に成功しました。
当時、日本ではサトウキビは現在の鹿児島県の薩南諸島や沖縄県の琉球諸島でしか生産されておらず、黒砂糖が主でした。
高松藩がサトウキビを栽培しただけでなく砂糖の製造に成功、しかも白砂糖を製造した事で高松藩の砂糖は一躍藩を代表する特産品となりました。
以後盛んに砂糖の製造が行われる様になりましたが、実際にサトウキビを栽培して砂糖を作っているのは藩内の農民です。
農民達は藩の大事な特産品である砂糖を厳格な管理の下に納入し、自分達が気軽に消費できるものではありませんでした。
自分達で作っているとはいえども藩に納める大事な砂糖ですから、おいそれと食べるわけにはいかなかったのです。
とはいえ年に一度の正月位は贅沢したい、甘いものが食べたいという事で生まれたのが「あんもち雑煮」というわけです。
砂糖を餡に入れて餅でくるんで、更に雑煮にするといった具合に見た目では全くわからないような使い方をしました。

藩の役人の目を避けて一目では砂糖を使っているとは分からない様に工夫したと思われます。
白味噌仕立ての雑煮の中に砂糖が入った餡が入っているとは夢にも思わなかったのではないでしょうか。
それでも餅の中に餡が入っている事がバレてしまう事に備えて塩入りの餡が入った餅の「塩入りあんもち雑煮」も作っていたのです。

資料参考:ホーム https://kyoudo.kankoujp.com/
今でもこの風習が残り、あんもち雑煮は「砂糖餡餅」と「塩餡餅」が食べられていて、私は「砂糖餡餅」派ですが、祖母は「塩餡餅」をお雑煮にして食べています。
あんもち雑煮の具材
「あんもち雑煮」には餅の他に大根と人参を入れるのが定番ですが、地域によって里芋、ごぼう、豆腐、油揚げ、花カツオや青ネギを入れる事もあります。
定番となる大根は小ぶりの雑煮大根、人参は香川特産の金時人参を使う事が多く、大根の白と人参の赤で紅白となって正月に相応しい彩りとなります。
雑煮大根がなければ普通の大きさの青首大根をいちょう切りにしても良いのですが、大根も人参もなるべく「輪切り」にする事で、「今年一年丸く収まりますように」とか「家庭が円満に」といった願いを込めているのです。
資料参考:ホーム https://kyoudo.kankoujp.com/
さいごに
いざ食べてみると意外と相性が良くて美味しいと感じる方も少なくありません!
お餅のアレンジ料理に飽きた人、ちょっと変わった甘塩っぱい雑煮を食べたくなった人は、香川県の郷土料理「あんもち雑煮」を是非、作ってみてください。
▼下記のサイトに「あんもち雑煮」の作り方が掲載されています▼
(選定料理)あんもち雑煮のレシピ(香川県農政水産部農業経営課)|香川県の郷土料理|家庭で味わう郷土料理 (location-research.co.jp)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2021-01-07 00:03:15
スタッフルーム
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